青森県は短命県?自転車利用で運動量を増やし生活習慣病を予防する案

青森県民は肥満率が高く生活習慣病を発症しやすく、死亡率だけでなく、自殺率も高いです。

これが「短命県」ともいわれてしまう理由になります。

短命県から抜け出すためには健康状態、とくに生活習慣の改善が大切で、自転車は生活習慣の改善に効果があります。

しかし、青森県の自転車のための道路は質や長さが不十分で自転車を乗る人が増えにくいです。

自転車用の道路を整備することで自転車の利用を増やし、健康状態の向上を図れば短命県からの脱却につながるかも知れません。

当時の趣味だった自転車を活かした卒業研究を行いたかったため、このテーマを選びました。

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青森県が「短命県」と呼ばれる理由

青森県民は喫煙率が高い、運動する人が少ないなどの理由から生活習慣が全国的に見てもいいとは言えず、全国トップクラスの不健康な人が多い県です。

肥満は、動脈硬化や三大生活習慣病(「がん」、「心疾患」、「脳血管疾患」)などをはじめとする、多くの生活習慣病を引き起こし、早く亡くなる人を増やしてしまいます。

青森県民の死亡の原因を見てみると三大生活習慣病だけで亡くなる人が半分以上です。

しかも、他の死亡原因のなかには、糖尿病をはじめとする他の生活習慣病も含まれていることから、生活習慣病で亡くなる青森県民の多さがわかると思います。

つまり、生活習慣の改善をすることで、青森県民の平均寿命を大きく伸ばすことができる可能性があります。

運動不足が引き起こす生活習慣病

では、運動不足によって引き起こされる症状や生活習慣病にはどういったものがあるのでしょうか?

基本的な症状として以下のものが挙げられます。

  • 肥満…特に基礎代謝量が下がると太りやすくなる
  • 肩こり・膝痛・腰痛…筋肉が衰えて痛みを引き起こす
  • 循環器疾患…全身の血流が悪くなるため起こる
  • 消化器疾患…内臓機能の低下により胃潰瘍などの可能性が高くなる
  • 精神疾患…うつや認知症のリスクが高まる
  • 睡眠障害…程よい疲れがないため熟睡できず朝起きるのがつらくなる
  • 免疫力低下…感染症にかかりやすくなる
  • 骨粗鬆症…骨折しやすくなるなどのリスク
  • 代謝疾患…糖尿病や痛風などが起こりやすくなる
  • 持久力の低下…疲れやすく、疲労の回復も遅れる
  • 老化促進…老眼や更年期障害の重症化など

運動不足が引き金となって、これだけ多くの症状が起こりやすくなり、亡くなってしまう人が増えてしまいます。

自転車による運動を勧める理由

これを解決するには運動するのが一番ですが、運動と言っても自転車以外にもたくさんありますね。

自転車を勧める理由はなんでしょうか?

運動としての自転車の特長

運動としての自転車とジョギング、水泳を比較すると、自転車は他の運動に比べて優位性があることが分かります。

具体的には、自転車は場所や時間の制約がなく、行動範囲が広い、運動持続時間が長い、運動強度の調整範囲も広いといった特徴があります。

さらに膝への負担が小さく、運動中でも会話ができ、医学的安全性も高いと言われています。

これだけみると、自転車は最も優位性があるため、ほかの比較した運動よりも優れていると考えて良さそうです。

自転車は生活習慣病の予防に役立つ?

また、実際に自転車に乗ることで死亡率および生活習慣病の発生率が低下したデータもあります。

例えば、コペンハーゲンで調査をしたところ、自転車通勤をしていない人はしている人に対して、死亡率が40%も高いことが証明されています。

また、適切な運動をしていれば、かなりの割合で冠状動脈や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病を防ぎ、がんの予防(とくに大腸がんと乳がんの二つ)にも効果があることも分かってきています。

以上のことから、自転車は他の運動に比べて優位性があり、かつ実際に生活習慣病対策になることがわかりますね。

青森県における自転車推進のための政策

こういった点を考えると、青森県は自転車推進のための政策および道路の整備をして、自転車に乗る人を増やすべきと考えることができます。

しかし、青森市や弘前市では自転車推進のための政策が実際に行われていますが、あくまでも過度な自家用車からの脱却のためだったり、観光客むけであったりと、健康対策としては重視されていませんし、実際にはそれほど進んでいません。

なぜでしょうか? 主な理由として次のものがあります。

  1. 雪国なので自転車利用ができる期間が短いため
  2. 自転車利用や自転車に関連する事故が少ないため
  3. 自転車通行空間を整備する土地の確保ができないため
  4. 公共交通中心のまちづくりを推進するため

これらについて1つずつ考えていきます。

1.雪国なので自転車利用ができる期間が短いため

青森市といえば、全国でも有数の豪雪地帯であるので、たしかに冬季は自転車の利用が難しくなります。

しかし、北海道でも自転車走行空間の整備・検討を行う自治体が14ほどあるため、寒さや降雪量はそれほど問題ではない可能性があります。

2.自転車利用や自転車に関連する事故が少ないため

自転車の利用が少ないのは、走行するための専用空間がないためであり、整備されることで自転車利用は増えると考えられています。

3.自転車通行空間を整備する土地の確保ができないため

古倉によると「自転車専用レーンを設けることができる左端の車線は路肩も入れた幅員が4。5m程度あれば車の走行空間を3m取ることができこのような車線の道路はきわめて多くこれに自転車専用レーンを設けて自転車専用レーンを設けて自転車専用走行空間のネットワークを形成することはそれほど困難ではない」とされていて、土地が確保できないとする主張は言い訳のように思えます。

とくに青森県は除雪した雪を道路脇に寄せるため、車の走行空間を広めに設計しているはずです。

4.公共交通中心のまちづくりを推進するため

正直言って、これについてはどうしようもないです。

公共交通が発達してくれれば、自転車移動ができない冬の移動もより簡単になるでしょう。しかし、健康問題については改善しないし、むしろ悪化します。

外国のケース…ロンドンにおける自転車走行空間の配慮

では、具体的にどういった自転車走行空間が良いのでしょうか?

ロンド運交通局は以下の点に配慮して、自転車の走行空間を整備しています。

  • 安全性…道路を改良するだけでなく、安全性に対する認知を行う
  • 直線性…不必要に迂回しないようにネットワークを計画する
  • 快適性…目的に合う円滑に移動できる頻繁にメンテナンスを行う
  • 一貫性…わかりやすさに配慮するために標識などを統一し直感的に理解できるようにする
  • 魅力…都市機能を向上させるようにする
  • 適応性…増加するであろうユーザーに対しても適応できるようにする

日本の多くの人が自転車で走行している歩道では、上の要素を満たすことが難しいだけでなく、そもそも違法であることが多いので、論外といっても良いかもしれません。

利用促進のために青森県・県内の自治体が行うべきこと

現在の青森県では自転車政策に力を入れておらず自転車利用による生活習慣・健康状態改善を図ることは難しいためロンドンのような自転車政策に力を入れている都市を参考にしたまちづくりをすべきでしょう。

具体的には車道走行の自転車走行空間特に自転車専用レーンを整備するべきでそうすることで自転車歩行者道を走行する人を減少・ゼロにし歩道走行のデメリットを軽減・解消させることができます。

これにより青森県民の生活習慣・健康状態が改善され短命県脱却からの大きな助けになると考えられます。

卒論の研究テーマをきっかけに社会人との交流も

元々まちづくりについて学ぶ機会もありましたが、このテーマを研究するにあたり、青森市が力を入れていたコンパクトシティや自転車観光についても興味が出てきました。

このことから、青森市の大学生が集まってまちづくりについて話し合うイベントや「青森県サイクルツーリズム推進協議会」にも参加しました。
特に、サイクルツーリズム推進協議会では、私以外が全員社会人でしたので、卒業前に社会人の方と交流を持ててよかったと感じています。

(文・U11)